何年かまえから、正月の三が日は家に籠もって読書をすることにしているのですが、今年は古川日出男訳の「平家物語」を読みました。といっても結構な分量だったのでとても三が日では読み終わらずに、結局十日くらいまでかかってしまいましたけど。
以前は朝起きてから寝るまでほぼぶっ通しで読んでいたのですが、流石に最近はそんな気力もなく、夜になると劇場版エヴァンゲリオン・序・破・Q・シンを四日掛けて観る、ということをなぜかこれもこの数年毎年続けています。
因みに三が日は毎日、朝はお雑煮、昼はサッポロラーメン、夜はカレーという食生活でした。
それで肝心の「平家物語」はどうだったのかというと、北野武の映画「アウトレイジ」みたいに平清盛も源頼朝も義経も木曽義仲もでてくる奴らは全員悪党!!でも結局一番ワルだったのは後鳥羽上皇だった。みたいな感じにも読めたのですが、アウトレイジバリにバタバタと死んでゆく平家一族の悲哀みたいなものがあって、その辺りが北野映画とは少し趣が違っていたかもしれません。
「平家物語」が成立した背景には滅亡した平家一族への鎮魂の意味も込められている、という話にもうなずける気がしました。
訳者の古川日出男はこの「平家物語」からスピンオフして「犬王」という小説も書いていて、そちらはアニメになっているものをこの機会に観なおしました。現代に残る「平家物語」がいかにして成立したかを、ファンタジックなロックミュージカル仕立てで描いていて、こちらもとても面白かったです。
壇ノ浦。ちょっと怖いような気もしますが一度訪れてみたいです。