粒や木(ツイッター)

ex-藤子文庫(モトフジ)の呟きです

6月23日 水木しげるの文庫版コミック、近藤勇・南方熊楠・ヒトラー。

先日ツイッターに”ナチスというと、ヒトラーのような狂人が作り出した異常な出来事と思われがちだが、実はヒトラーにはそれを支援する経済界があり、ヒトラーは操られていたにすぎない、という事実を忘れてはならない”というような歴史学者の言葉が上がっていました。
 
確かに、歴史とは勝者の歴史である、という言葉もあるように、それは、実はすごく曖昧で、とらえどころがなく、危ういものなのかもしれないと思います。
最近、歴史認識であるとか、憲法解釈であるとか言われていることも、なにが正しいかを論じているのではなく、”何を事実としたいか”という歴史を自分達の都合に合わせて書き換えようとする争いのような気もします。
 
ただ、そこに歴史の面白さがあることもまた事実で、同じ史実をいろいろな視点で描く事で、全く違う物語が出来上がるのは歴史モノの最大の魅力だと思います。

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実はこの三冊は私の蔵書で、持っていても読み返すわけじゃなし、と思い切って売れそうなものを商品に加えて行くことにしたわけです。
 
少し解説しますと、ヒトラーはもちろん第二次大戦時のドイツの独裁者。近藤勇は江戸末期に活躍した新撰組の隊長です。この新撰組も歴史に翻弄された悲劇の集団であるとも言えるし、不気味な暗殺者集団、ナチスの秘密警察みたいなところもあり、なんともいえない興味深い人たちなのです。
 
そして、最後の南方熊楠は、この三人の中では一番知名度は低いかもしれませんが、いうなれば日本のエコロジストの先駆けのような人で、この中では最も現代的な人物かもしれません。
その熊楠を水木しげるは、猫の視点から描いています。夏目漱石の『吾輩は猫である』のような感じなのですが、このちょっと人間ばなれした視点が、妖怪を人間のように描き、人間を妖怪のように描く、水木しげるならではなと思ったります。
 
他にも水木しげる関連の本を数冊追加しました。
商品ページの下の方にある商品紹介欄に、その本の雰囲気が伝わるような、本文や解説
からの抜粋を紹介していますので、興味のある方は是非ホームページもご覧ください。