「もはや戦後ではない」という言葉があったそうです。ネットで検索すると、1956年の経済白書の序文に書かれた一節とあり、続けて、当時の経済成長の気運とともに流行語にもなった、とあります。
それはきっと、すごく明るい未来像とともに受け入れられたスローガンだったのでしょう。ところが、最近の日本はまるで「そしてまた戦前にもどる」とでもいいたくなるような状況のように感じます。
戦後70年。この戦後がいつまで続くのか。
私は戦前も戦中ももちろん知りませんが、永遠にこの戦後という時代が続けばいいと願っています。
それにしても、お盆のこの時期に終戦記念日があるというのは、日本人の心情に凄く合っているなといます。先祖の霊を迎え、そんな自分のルーツを想う時に、自然と戦争で犠牲になった自分たちの祖先のことを想う。そんなふうに、戦争の記憶を風化させずに繋げて行けたらなとおもうのです。
今回の「藤子文庫の八月十五日」はそんな企画です。正直、戦争をネタに金儲けを目論んでいるような後ろめたさはあります。そこまで卑屈になることもないかな、ともおもいますが、商売には少なからずそういう側面があるとおもうのです。
ただ「藤子文庫」は、戦争や暴力の芽を生む武器や兵器や、事故を起こさないまでも、人間の手に余る廃棄物を生み続ける原子炉のような、人間を不幸にする商品を売る”死の商人”ではなく、手に取った人の人生が少しでも豊かになるような、そんな本を売る”平和の商人”でありたいとおもっています。
そして、世界人類が少しでもたくさんの本(特に古本)を読んで、より豊かな人生をおくることができますように。
藤子ヒロキ